【翻訳】You are "not" Steve Jobs(Erin Caton, Business Erin, 2013)

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ある若いCEOが、小さなゴジラが、和紙でできた沢山の小さな建物をそうするように、スタッフの気持ちを踏み殺しながら、スタートアップ企業を駆け回っている。会議では額をこすりながら、なぜ自分ほど頭のいい人間がいないのか、大声を出しながら考え込んでいる。自分が言いだしたこと以外は、プロダクトに反映させない。彼は、最近亡くなったとあるヒーローのようになりたいと、必死になっている―スティーブ・ジョブズだ。

さて、ここで私は橋を燃やし、二度とアップル社で働かないことにした話をしよう。私はスティーブ・ジョブズと2つの個人的な経験しかしていない。

  1. 入社して最初の2週間、彼は私と同僚の前に並んで、オフィスのカフェテリアの寿司キオスクに割り込んだ。その時、私はアップルの基調講演を見たことがなかったので、同僚に「この馬鹿は誰だ」と言いた。同僚は、"それはスティーブだよ "とささやいた。そうか、スティーブはちょっと嫌な奴なんだと、私は心の中で思った。
  2. 私はMobileMeチーム(現在のiCloud)でエンジニアリングプロジェクトマネージャーとして働いていたが、.Macから素晴らしい新製品をリブランディングして作り上げる際に、悪名高いローンチを経験した。私とスティーブの間には(ありがたいことに)3〜4段階の上司がおり、私たちは長い間、発売日に自信が持てないことを上司に伝えていた。私たちは、そんなに大がかりなものでなくとも、発売に向けて何かできることはないかと、いくらでも提案した。しかし、指揮系統のどこかで、100万発の花火を打ち上げるのはアップル流ではないと判断された。「でも、これはウェブなんだ!」私たちはそう叫んだが、無駄だった。私たちは命令を受け、一列になって集団の破滅に向かって歩いた。 そして、打ち上げ日の夜は更けていった。そして愛すべき兵士たち(Appleで働く人たちは皆、完全に素晴らしい労働者で、自分の仕事に全力を尽くしてくれるからそう呼ぶことにする)は、文字通り24時間体制でその修復に取り組んだ。机の下で眠り、近くのホテルから移動し、次のコーダーのシフトに合流し、復旧するまで。 復旧が終わると、私たち(少なくとも100人)は、スティーブ・ジョブズとのミーティングに呼ばれた。私たちは皆、ギロチンに向かうような格好で、ビルの前に歩いて行きた。彼は私たちの前に立ち、怒鳴りつけ、お互いに怒るべきだと言い、時間差をつけて発売ができたはずだと言い、私たち(世紀のクソ製品を実際に作っている製造現場の人間)どもは懇願していたことをすべてやろうとさえしなかったと文句を言った。世界一やる気のないスピーチだった。 さて、スティーブが当時耳を傾けていた男たちの聖域の中で、私たちが上司に話したことをすべて彼に話した人がいなかったかどうか、あるいは指揮系統の上の人が私たちにAppleらしくないことをするよう勧めるほど勇敢でなかったかどうかにかかわらず、この仕組みこそがスティーブの作ったシステムだった。スティーブが自分自身をとても恐ろしく、脅威を及ぼす存在にしてしまったので、素晴らしく、才能があり、一生懸命働いている人たちのグループ全体が、不当に怒鳴られる羽目になってしまった。MobileMeの立ち上げがうまくいかなかったのは、彼のせいであって、私たちのせいではない。

スティーブ・ジョブズだって、最初はあの「スティーブ・ジョブズ」じゃなかったはずだ。彼が巨大な嫌な奴であることを暴露したのは、離職率の高い会社を持ち、後に何をやっても彼を英雄視する手下が山ほどできてからのことだ。彼は、会社全体に対して虐待的な夫だった。しかし、少なくとも彼には成功の実績があった。もし、あなたが彼のような経歴を持たないのであれば、スタッフに優しくすることを検討してみたほうが良い。そして、たとえ実績があったとしても、これは訓話であると考えてほしい。プロダクトにとって一番良いのは、スタッフに本当のことを言わせ、それに耳を傾けることだ。ゴジラCEO、あなたは自分一人でプロダクトを作ることはできない。あなたは、賢くて有能だからということで雇ったと思しきスタッフに頼らざるを得ないのが実情だ。スタッフを畏敬の念で扱い、彼らの良いアイデアをプロダクトに反映させれば、人々がスティーブに与えたような賞賛を与えてくれるだろうし、恐怖で支配することによって生じるマイナス面もないのだから。そして、あなたのために一生懸命働いてくれている優秀な人たちとともに、素晴らしいものを作り上げていこう。そうすれば、あなたも、あなたのプロダクトも、あなたのスタッフも、ずっと良くなるに違いない。