元記事:
solvingproduct.com
「世界レベルの調整能力がなければ、プロダクト全体が調整に依存することになってしまいます。そのためには、単に得意なだけではなく、優れていると言える技術を身につけなければなりませんでした。」- Hiten Shah
プロダクトがしっかり作り込まていれば、どのアクションやワークフローがより重要であるかは明らかになっているはずです。これらの重要なアクションやフローは、ユーザーがプロダクトから得る価値を左右するものであるため、できる限り洗練されたものとなっているか確認する必要があります。
さて、タスクを評価する方法は大きく分けて3つあります。
- 成功。ユーザーがプロダクトを使って目的を達成できるか?タスクを完了できるか?
- 時間:平均的なユーザーがタスクを完了するのにかかる時間はどのくらいか?時間の短縮は使いやすさの代用品とみなされることが多いですが、必ずしもそうではありません。
- 使いやすさを感じられること。タスクを完了するのがどれだけ大変か?使いやすさは完全に主観的なものです。ユーザーの経歴や経験によっても変わることがあります。
一般的には、ユーザーが期待したフローでタスクを完了した場合は「直接的な成功」、代替フローで完了した場合は「間接的な成功」、ユーザーが完了できなかった場合は「失敗」と考えることができます。
ジェフ・サウロ博士の研究によると、プロダクト間でのタスク完了率の平均は78%です。つまり、製品や経験を問わず、22%のタスクが失敗するということです。
UserTesting、Usabilla、Mazeなどの多くのユーザーテストプラットフォームは、タスクの時間と成功を測定するのに役立ちます。
どちらのサービスの指標も有用ですが、使いやすさを感じられるか否かは、反復的に評価を行うべき重要なベンチマークとなります。
SEQ(シングル・イーズ・クエスチョン)質問票
使いやすさを評価するための最良のツールは、Single Ease Question (SEQ) 質問票です。これは単一の質問項目で、一般的にはタスクの直後に実施され、ユーザーが試みたばかりのタスクに対する気持ちを評価します。質問内容は以下の通りです。
"全体的に見て、タスクをこなすのが難しいか簡単か?"
両端にラベルを付けた7段階のスケールで、ユーザーが簡単に入力できるようになっています。
タスク終了後のアンケートは、ユーザーの流れを壊さないように、せいぜい3問程度の短いものにします。
質問項目がシンプルであるにもかかわらず、回答はシステム・ユーザビリティ・スケール(SUS)のような他のユーザビリティ指標と強く相関しています。
回答者の平均的な回答を、タスクに関するSEQスコアとします。タスク全体の平均SEQスコアは5.5です。
スコアは、セグメント別、ライフタイムバリュー別、その他のユーザー属性別に分けられます。
さまざまなタスクを評価することで、製品の最も弱い部分を特定することができます。スコアを長期的にベンチマークすることで、繰り返し行う中での進捗状況を把握することができます。
SEQアンケートは優れた診断ツールではなく、タスクを完了する複雑さと、完了するまでに経験する問題を分離するのがユーザーにとって困難であることもあり、フォローアップの質問をするのが良いでしょう。
“このスコアをつけた主な理由は何ですか?”
スコアが5点以下(7点満点中)のものに対する答えは、プロダクトのワークフローにおける問題点や摩擦点を指摘するのに役立ちます。
あるいは、カスタマー・エクスペリエンスの専門家であるカール・ギリスは、"(あるタスク)をするのはどれぐらい難しかった?" と尋ねることを推奨しています。
この自由形式の質問は、SEQアンケートに比べて低いスコアしか得られませんが、その回答はインサイトの宝庫となります。
プロダクト内で重要なタスクを完了したユーザーを対象に、自動化されたアプリ内メッセージを送ることで、リサーチの幅を広げることができます。その際には、スコアの変化を時系列で追跡することも検討してください。
この記事は、『Solving Product』からの抜粋です。内容を楽しんでいただけたなら、新しい本も気に入っていただけると思います。最初の3章はこちらからダウンロードできます。